2023/03/17 Market outlook

アジア株式に投資機会-欧州は米国より有望

株式

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「アジア株式が今年最も有望な投資先の1つになるでしょう」と、アジア太平洋地域チーフ・インベストメント・オフィサーのショーン・テイラーは述べています。企業収益がむしろ縮小している先進国と比較すると、アジアの企業収益見通しは改善しています。さらに、米国株式と比較したバリュエーションのディスカウントは引き続き平均を上回っています。今後12カ月についてこのようなポジティブな評価をしている重要な要因は中国経済の動向です。中国では難しい局面が去って、明らかに成長基調に立ち戻っています。

「幅広い経済回復の第一段階では経済の再開がエンジンになりました。現在、次の段階として経済回復が始まっています。慎重な銘柄選択が従前にも増して重要になっています」とテイラーは述べています。消費財、旅行業界、再生可能エネルギーが最も有望なセクターであるとテイラーは見ています。

ただし、米中間の緊張の高まりやロシアによるウクライナに対する戦争の今後の動向など、地政学的リスクは依然として高止まりしています。中国における動向は引き続き欧州各国にとっても重要になります。米中間よりも経済的な相互依存がはるかに高いドイツ企業にとっては中国の動向が特に重要です。我々は現在、米国よりも欧州市場を選好していますが、それにはいくつかの理由があります。欧州企業の収益予測が米国ほど大幅に引き下げられなかったこと、欧州ではテクノロジーセクターの優位性が米国ほど高くはないこと、バリュエーションのディスカウントが引き続き高いこと、などです。

Sean Taylor

アジア太平洋地域チーフ・インベストメント・オフィサー

米国株式: 収益予測が急激に低下

S&P500種株価指数セクターインデックスの収益予測の変化

出所:DWSインベストメントGmbH、2023年3月時点

米国株式

米国株式の価格上昇余地はほとんどない

  • 国債の利回り上昇期待(今後12カ月で我々は10年物米国国債について4.3%の利回りを予測)を受けて、米国株式の価格上昇余地には上限が出てくるだろう。
  • さらに、我々は今年の企業収益が低迷すると予測している。
  • 2024年3月末のS&P500種株価指数の目標株価は4,100ポイント。

 

ドイツ株式

機会とリスクのバランスがうまく取れている-地政学的動向に大きく左右される

  • 新たな秩序が明らかになる中で、ドイツ企業部門からはまだら模様のサインが出ている。国内企業は発注を減らしたが、海外からの発注は増加した。
  • 多くのドイツ企業が中国経済の回復から恩恵を受けるだろう。ただし、中国との取引に依然として大きく依存しているため多大なリスクがつきまとう。
  • 2024年3月末のドイツDAX指数の目標株価は16,300ポイント。

 

欧州株式

欧州中小型株を依然として選好

  • 欧州経済は低迷から抜け出したようだ。購買担当者景気指数は12月以来再び上昇に転じており、この点が裏付けられている。
  • 欧州中小型株がこの動向から恩恵を受けるだろう。欧州中小型株のバリュエーションは依然として魅力的であり、我々は株式投資の中で最も有望なものの1つであると考える。
  • 2024年3月のストックス600指数全般の目標株価は480ポイント。

 

新興国株式

アジア新興国の見通しはポジティブ

  • 中国の経済再開を経て、現在の注目は今後の経済成長の見通しと全国人民代表大会の政治的位置づけに移ってきている。
  • 全体として見れば、新興国に対する世界的な逆風は弱まっているようだ。今後12カ月間、アジア新興国が最も有望な株式市場の1つになるだろう。MSCIアジア(除く日本)インデックスの目標株価は670ポイント。

凡例

短期および長期見通し

指標は、DWSが当該資産クラスに関して上昇、横ばい、または下落の見通しを示しています。
短期的見通しは1~3カ月、長期的見通しは2024年3月までの収益可能性を示しています。

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  • 収益がプラスになる可能性
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  • 収益機会と損失リスクはいずれも限定的
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  • 収益がマイナスになる可能性

データや見通し等は記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。

出所:DWSインベストメントGmbH、2023年3月17日時点

その他の資産クラスの足元の投資環境と今後の見通し

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