2020/05/30 DWSリサーチ

“GRIP”によるマルチアセット・ポートフォリオの構築

最先端のポートフォリオ構築プロセス

この記事は約1分で読めます。

レポートの要約

 


ポートフォリオを構築する上で、資産の配分は重要です。

1950年代に、マーコウィッツにより現代ポートフォリオ理論が確立され、平均分散アプローチに基づいて「効率的フロンティア」上に位置するポートフォリオを構築すれば、リスク1単位あたりのリターンを最適化できると示されました。しかし実際には、平均分散アプローチによるリターンは原始的な資産配分(例:全資産への均等配分)を下回ることがあるという問題を抱えています。これは平均分散アプローチが、パラメータの変化に対し不安定であることが理由として考えられます。

DWSはこうした問題を改善するためにGRIPを活用しており、以下の特長を持ちます。

  • GRIPは「Group Risk in Portfolios」の頭文字であり、最先端のポートフォリオ構築プロセスです。
  • GRIPは従来のアセットアロケーションのように個別の資産クラスではなく、資産クラス群や戦略群のポートフォリオ全体に対するリスク貢献度に着目しています。
  • この独自のアプローチにより、極端なウェイトやリスク配分が減り、相関のないエクスポージャーが増え、真に分散されたポートフォリオの配分が可能となります。
  • また、GRIPは柔軟に活用できるので、リスクプロファイルや地域・通貨の配分方針に関する一貫性を保ちながら、個々の投資家のニーズや目標を満たすようにカスタマイズが可能です。
  • GRIPは、資産クラス間の配分だけでなく、リスクファクター間の配分、タクティカルな投資判断、スマートベータ間の配分にも適用することが可能であり、戦略的なマルチアセット・ポートフォリオの構築に全く新しい視点をもたらします。

実際に、2011年9月から2017年9月のデータを用いてGRIP、平均分散アプローチ、そしてリスクパリティ・アプローチによるマルチアセット・ポートフォリオのリスク調整後リターンの比較を行ったところ、GRIPのパフォーマンスは他の2つを上回っていました。また、資産配分を比較すると、GRIPによるポートフォリオの方が安定的であることが分かりました。

その他のDWSリサーチはこちら

■当サイトは、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当サイトは、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当サイト記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。

CIO View