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レポートの要約
ポートフォリオを構築する上で、資産の配分は重要です。
1950年代に、マーコウィッツにより現代ポートフォリオ理論が確立され、平均分散アプローチに基づいて「効率的フロンティア」上に位置するポートフォリオを構築すれば、リスク1単位あたりのリターンを最適化できると示されました。しかし実際には、平均分散アプローチによるリターンは原始的な資産配分(例:全資産への均等配分)を下回ることがあるという問題を抱えています。これは平均分散アプローチが、パラメータの変化に対し不安定であることが理由として考えられます。
DWSはこうした問題を改善するためにGRIPを活用しており、以下の特長を持ちます。
- GRIPは「Group Risk in Portfolios」の頭文字であり、最先端のポートフォリオ構築プロセスです。
- GRIPは従来のアセットアロケーションのように個別の資産クラスではなく、資産クラス群や戦略群のポートフォリオ全体に対するリスク貢献度に着目しています。
- この独自のアプローチにより、極端なウェイトやリスク配分が減り、相関のないエクスポージャーが増え、真に分散されたポートフォリオの配分が可能となります。
- また、GRIPは柔軟に活用できるので、リスクプロファイルや地域・通貨の配分方針に関する一貫性を保ちながら、個々の投資家のニーズや目標を満たすようにカスタマイズが可能です。
- GRIPは、資産クラス間の配分だけでなく、リスクファクター間の配分、タクティカルな投資判断、スマートベータ間の配分にも適用することが可能であり、戦略的なマルチアセット・ポートフォリオの構築に全く新しい視点をもたらします。
実際に、2011年9月から2017年9月のデータを用いてGRIP、平均分散アプローチ、そしてリスクパリティ・アプローチによるマルチアセット・ポートフォリオのリスク調整後リターンの比較を行ったところ、GRIPのパフォーマンスは他の2つを上回っていました。また、資産配分を比較すると、GRIPによるポートフォリオの方が安定的であることが分かりました。